主張するのに相応しい TPO

数日くらい日本語のニュースをチェックしていなかったんですが,ネット界隈で「野球部のサポート役の高校生の行動」の是非が議論されており驚きました.まあ私も日本人なので,こういうのを問題にしかねない風潮はわかりますが,最近の日本のネット言論空間(というのでしょうか)は何だか行き過ぎた感じがします.こういうのが極端になると,多数の人にとって社会の居心地を悪くなります.

人がいろんな主張を持つのはわかりますし,私も色んな主張を発表して意見を問うことが好きです.一方で主張をするのに相応しい TPO があるのではないでしょうか.名前や写真が出ている高校生の,他意のないのが明らかな行為を引き合いに出して,当事者と関係ないところで議論が白熱するのは,厳しい言い方ですが,配慮と想像力が足りないかと思います.それにコメントすること自体が,その議論に与しかねないというジレンマはあります.そして,自分の意見がどうやって波及するかを想像することが難しいのは理解しているつもりです.それは一連の不正論文の件でも強く感じたことです.それでも,です.

日本人は概して配慮ができる人が多いと思いますが,強い意見・思想を持つ大人が主張する自由に配慮できるのに,成長途中の高校生が騒がれて困る気持ちに配慮できないのだとしたら,優先順位付けがおかしいですね.二者択一ならば,私は断然後者に配慮したいです.前者が言ってることが正論でも,正論だから何だという話で,ファクトに基づこうがロジックが組めてようが数字が出てようが関係ありません.「うっせー,今言うことじゃない」と適切なファシリテーションができる大人でありたいと思います.

今回当事者となった高校生は,甲子園に出場してカッコいいと思います.私はいい年齢ですが,中学・高校スポーツで全国大会に出られず不完全燃焼だった感じが 30 歳を過ぎた今もありますから,羨ましいし輝いて見えます.大人の損得勘定など気にせず,その時その時のテーマに真剣に取り組むことで,人生が豊かになるというのは私の信じるところです.雑音など気にせずに頑張って欲しいです.