偏見もあるのは最初に断っておきますが,引越しに伴うムービングセールをしてての雑感です.ボストンなど大都市での物品の個人売買には,craigslist と呼ばれるインターネット上の個人広告サイトや,日本人が頻繁に見る個人広告サイトがあって,それらを使用するのが一般的でしょうか.
インターネットを使うと,日本人,アメリカ人,それ以外の人とやり取りをすることになりますが,これが意外と面白いものです.もし英語の先生にでもなったら,学期のプロジェクトに craigslist で広告を出してモノを売る,みたいなのをやってみたいです.相手による違いを若いうちに肌で感じるのは,決して損にはならないと思いますし,何よりも読む書く話す聞く,総合的なコミュニケーションの練習です.
本当にざっくりですが,傾向としては,
- 若いアメリカ人の男性→やり取りが単純,メール短い,住所は google map で簡単に理解してくれる,約束は守らないことも多い
- 年齢の高い日本人女性→やりとりが煩雑,メールが丁寧,物品への期待値が高い,メールだけで住所の説明が伝わらない,約束は守る
みたいな両極端の像があって,その間でどの辺の人が話しやすいか,という各人のホットスポットを見つけられるのかと思います.個人的には「留学生で生活のセットアップをしてそうな層」が相手としてやりやすいです.やり取りのコストもそこそこ低いし,約束したら守ってくれやすいと思います.
「ビジネス慣習が違い,求められるサービスの水準が高くて,日本語使わなくちゃいけない,だから日本のマーケットで海外企業が入り辛い」みたい は議論は聞いたことがありますが,こういった個人売買ですら sociodemography の違いによって,やり取りに差が出てくるのは面白いです.仮にアメリカ人の若い男が日本語を話せても,日本人のおばちゃんとのやり取りは煩雑に感じてしまうのだと思います.購買力があるうちは良いけど,それがなくなった時に,コミュニケーションの調整のコストの高いマーケットは見放されるというのは,同様に聞いたこ とのある議論ですし,日本語で守られたマーケット(インターネットの日本人向けコミュニティー)内では,独自の慣習が発達するというのもその通りです.マクロな話を考えるのに,こういった個人売買からも示唆が得られるのかもしれません.
そして,上の議論とは関係ないけど,とりあえずの結論.
- 大きいものだけ売る.Time is money.
- 細かいものを売って小銭にするなら,後輩にあげた方が,自分も相手も気持ちいい.
- 売るかあげるかの分岐点は最初は10~20ドルくらいだったけど,引越しが近くなるとどんどん上がります.引越し前の人は,いろいろもらうチャンスです!
名残惜しいですが,3年住んだアパートからついに引越しです.